2014.09.26
通常の民事訴訟手続で残業代請求をする場合についてお話します。
通常の民事訴訟手続で残業代の請求をする場合としては大きく2つあります。
1つは、最初は労働審判手続を申し立てて話合いをしたもののまとまらずに審判となり、その審判の内容に一方当事者が納得せず、異議の申立てがあった場合です。
もう1つは、労働審判をせず最初から訴訟を提起する場合です。
労働審判手続では迅速な解決を目指しているので、当事者がある程度譲歩することを前提としています。ですので、残業代を請求する労働者側としては、金額面などではじめから譲歩したくないという場合、労働審判をせず訴訟提起を選択することになります。
労働審判手続を経たものの、審判に対して相手方から異議の申立てをされたためやむなく訴訟になった場合も通常の民事訴訟として手続が進んでいきます。
その場合、「労働審判申立書」を「訴状」とみなして労働審判申立て時に訴え提起があったものと扱われますが、労働審判手続での審理状況や記録などは当然には引き継がれません。
各当事者があらためて整理した上で、必要に応じて提出し直すことになります。
労働審判を経て訴訟となった場合も最初から訴訟提起した場合も、どちらも同じ訴訟手続ですので手続自体に違いはありません。
なお、審理にかかる時間はケースバイケースです。労働審判を経ていて既に紛争の争点などが整理されているため訴訟に移行した第1回目の期日から審理が迅速に進んでいくという案件もあれば、他方で、労働審判手続でこじれてしまったためにかえって解決までの時間が長引くこととなってしまった、結果論ですが当初から訴訟を提起していればよかったというケースもあります。
その意味で、解決までの見通しを立てて手続を進めることが重要になってきます。
横浜・関内で、未払い残業代請求や労働審判、訴訟でお悩みの方、一度、弁護士による法律相談を受けることをお勧めします。