2014.07.03
離婚をすることそれ自体は、お互いに合意ができていても、お金の問題で離婚協議がうまくまとまらない、ということもしばしばあります。
その中で、今回は、財産分与についてお話したいと思います。
財産分与で中心となるのは、夫婦が結婚生活の中で築き上げた夫婦財産を清算するというもので、基本的には2分の1ずつ分けましょう、ということになります。
たとえ、相手の不貞行為など相手方に原因があって離婚した場合でも、その点は、まずは慰謝料で考慮することになるので、財産分与としては、基本的には2分の1ずつ分けることになります。
その際、結婚生活で築いた財産であれば、夫名義か妻名義かは関係ありません。
財産分与は、夫婦が結婚生活の中で協力して築き上げた財産を公平に分配することに1つの狙いがあるからです。
結婚してから築いた夫婦財産としての預貯金や不動産などが対象になります。また、退職金や保険なども対象財産として検討することになります。
他方で、結婚する前からそれぞれが持っていた財産や親の相続で得た財産など結婚後であっても夫婦の協力と無関係のものは、原則として財産分与の対象にはなりません。
なお、財産分与は、夫婦が協力して築き上げた財産を公平に分配するものなので、通常は、夫婦の協力関係が終了した別居時の財産を基準に考えます。
ちなみに、財産分与をめぐって協議がまとまらず、家庭裁判所の調停の段階に進むことになっても、相手方が預金口座などを明らかにしないこともありますので、可能であれば、ここに口座があるという手がかりくらいはご自分で把握しておいた方がいいと思います。
「家の近くや職場の近くの金融機関に預金しているはずだから、裁判所を通じてすべて調査してほしい」と申し立てても、多くの場合、それは難しいです。
早く離婚したいとのことで、財産について何の取り決めもせず、先に離婚届を出してしまうケースも見られます。
法律上は、財産分与の協議は、離婚してからでもできますが、一般には、離婚をする前に協議しておくのがよろしいかと思います。
離婚をすると、相手の財産を把握することが難しくなりますし、別れた相手と連絡を取ることもスムーズにいかなくなることが多いからです。
横浜・関内で、財産分与などお金の問題をめぐって離婚手続がなかなか進まないという方、一度、弁護士による離婚法律相談を受けることをお勧めします。