2014.07.18
親権とは、親が未成年の子どもを監護、養育し、その子の財産を管理する権利や義務のことです。
婚姻中は、夫婦が共同して行うことになっています。
監護権とは、子どもの世話や教育をするなど、子どもを養育する権利や義務のことで、もともと親権の一部として含まれているものです。
夫婦が婚姻中は、夫婦が親権者として共同して子どもを養育し、財産の管理をするので、監護権というものが特別に意識されることはあまりありません。
離婚の際に、この監護権が話合いの中に出てくることがあります。
例えば、親権をめぐって話合いがまとまらないものの、家庭裁判所での手続まではしたくないということで、半ば折衷案として、親権者を夫にして、妻が監護権者として実際に子どもの養育をすることで折り合いをつけようと考えている、などというケースが見られます。
一見すると合理的な解決のようにも見えますが、一般には、離婚した夫婦が、離婚後も協力し合って、子どもが20歳になるまで継続して安定的な養育をするのは難しいといえます。
監護権者の妻としても、子どもが成長していく過程で、重要な場面ごとに親権者の判断を仰がなくてはならないことになりますが、その時、また揉めてしまうかもしれません。
実際に子どもの面倒を見て養育する方を親権者と決めて、親権と監護権を安易に分けないことがお勧めです。
ちなみに、どちらが親権を取るかで話がまとまらないけれども、裁判所での手続というものに抵抗があって、何とか裁判所に行かずに話合いで解決したい。そこで、子どもが2人いるので、1人を夫に、1人を妻に、という解決を考えている、というケースも見られます。
子どもの年齢や状況などにもよると思いますが、兄弟姉妹を安易に分けていいのか、子どもの利益を中心に慎重にお考えになることをお勧めします。
裁判所での手続の中には、法律と証拠によって、厳格な手続で白黒をはっきりつけるものもありますが、それ以外にも、話合いによって柔軟な解決を目指すものもあります。
夫婦間で安易に妥協的な解決をするのであれば、むしろ家庭裁判所の調停などを活用した方が、子どもの利益にもかなったいい解決につながることもあります。
横浜・関内で、親権や監護権など子どもの問題でお悩みの方、一度、弁護士による離婚法律相談を受けることをお勧めします。