2014.10.06
通常の民事訴訟手続で未払い残業代の請求をすることになった場合、期日当日がどのような雰囲気で行われているのか、主に、第1回期日から尋問期日の前までを中心にその一例についてお話します。
第1回期日は公開の法廷で行われます。
原告(訴えた側)は必ず出廷することになりますが、弁護士に依頼をしている場合は弁護士が出廷します。他方で、被告(訴えられた側)は必ずしも出廷するとは限りません。第1回期日については、裁判所は、原告の都合をもとに決めるからです。
被告は欠席する場合、事前に「答弁書」という書面を提出しています。原告の提出した「訴状」に対する反論が記載されている書面です。
第1回期日当日は、法廷では、原告が訴状記載の内容を主張したことや被告が答弁書記載の内容を反論したことを確認し、次回期日を決めて終了します。
5分程度で終わることもあります。
第2回期日以降は、公開の法廷で行われることもあれば、原則非公開の手続きで行われることもあります。2回目以降は被告側も出廷します。
2回目の期日では、主に、1回目の期日で被告が提出した答弁書に対して、原告が反論することになります。
以後、一方が出した書面に対し、他方が反論する期日が何回か続きます。おおよそ1か月に1回のペースです。
裁判では、期日当日に先立って、事前に期日で主張することを書面にして裁判所と相手方に提出しているので、期日当日は、それを前提に補足の主張をしたり、裁判所や相手方からの質問に回答したりします。長くても30分くらいです。
通常の民事訴訟手続の場合、最初のうちは、紛争の争点を整理するのが主題になるので、主として書面で主張と反論を交互に繰り返す形になります。
ですので、基本的には、お客様に出廷していただく必要はありません。
期日を重ね、お互い主張と反論を繰り返して争点が絞られてくると、証人や当事者本人(原告、被告)を尋問することになります。
ただ、期日で紛争の争点が確認され、その次の期日で尋問を行うという場合もありますが、尋問期日を設定する前に、当事者が和解(話合いによる解決)できないか、当事者の意向を確認するための期日が設けられることもあります。
この期日では、一方当事者に席を外してもらい、他方当事者が裁判官から解決の意向などについて聞かれるということを交互に行っていくことで、お互いが譲り合うことで解決できないか模索されることになります。
このような期日が設定された場合には、基本的にはお客様にも期日に出席していただきたいと思います。話合い次第では、その場で解決し訴訟が終了することもあるからです。
なお、この段階では、紛争の争点が絞られ証拠もある程度出ているので、仮に尋問へ進み判決となった場合、どのような結果になるかという見通しをもって話合いに臨むことになります。
そして、当事者双方の折り合いがつけば、尋問をすることなく和解で解決し、訴訟が終了します。しかし、折り合いがつかなければ、尋問へと進むほかありません。
横浜・関内で、未払い残業代請求の裁判でお悩みの方、一度、弁護士による法律相談を受けることをお勧めします。