2014.10.14
未払い残業代請求の裁判が続いている際の対応について簡単にお話します。
まず、未払い残業代の請求にあたって、労働審判手続を経ず最初から訴訟手続を選択した場合、原告(労働者)としては、当初の段階から譲歩する考えはあまりない、ということでもあると思います。
訴訟手続の最初の段階は、主として書面による主張反論が繰り返されますし、双方徹底的に主張し合うので、できることなら1回の期日ごとにあまり一喜一憂しない方がよいと思います。
ご依頼の弁護士から説明がありますが、手続が進んでいくにつれ、見通しなどがある程度明らかになってくると思いますので、どこかで譲歩した方がかえって得策なのか、それともあくまでも判決を求めるのがいいのか、その段階で考える必要があります。
労働審判手続を申し立てたものの、会社側から異議を出されてやむなく訴訟となった場合は、労働審判手続の段階でご自身なりにここまでなら譲歩できる、ということを考えていたとは思いますが、訴訟手続になってしまったことを考慮して、再度、どこまでなら譲歩できるかを検討しておいた方がいいと思います。
また、付加金のことも頭に入れておいた方がいいと思います。
訴訟手続を担当する裁判官は、多くの場合、原告(労働者)が最初に訴訟手続ではなく労働審判手続を選択したことをとらえて、「原告はある程度のところで譲歩して解決してもいいと考えている」と認識しています。
そのため、手続が進み争点が整理されると、被告(会社)の対応にもよりますが、和解のための期日が設けられる可能性が高いといえます。
なお、この期日には、必要に応じて、お客様にも裁判所にお越しいただくことになろうかと思います。
和解の際には、労働審判の時とは異なり、必ずしも大幅な譲歩までは考えなくていいと思います。
労働審判の際は、3回以内の期日で決まるので、早期解決のメリットがありましたが、一度、訴訟手続になると、場合によっては、当事者本人尋問の負担やその準備のための打合せの負担などが発生しますし、裁判期間もケースにもよりますが10か月から1年程度はかかってしまうことになるので、あまり早期解決のメリットがないからです。
横浜・関内で、未払い残業代請求の裁判でお悩みの方、一度、弁護士による法律相談を受けることをお勧めします。